2018年09月24日

あいつの下駄の音がしたんだ 〜「ゲゲゲの鬼太郎」第6期

 えっ…「富津」?書きますよー(^_^;)

 
 さて、我々アラウンド還暦世代にとってはバイブルである「ゲゲゲの鬼太郎」がまたしてもアニメ化した。やってる時間帯が時間帯なんで、時々しか観られないのだが、最近録画してまで観るべきかな、と思ってきた。

 猫娘が八頭身の萌えキャラになってるとか(^_^;)、EDテーマの映像がおもちゃの宣伝になってるとか、まーそんな批判はいっぱいあるんだけど、最近は賞賛の声が多く聴こえるようになってきたそうだ。

 それはドラマ性。名作「ウルトラセブン」や「帰ってきたウルトラマン」にも、ウルトラセブンやウルトラマンが登場しなくても、ストーリーが進行するドラマが存在するが、今回の「鬼太郎」にも、妖怪や鬼太郎が出てこなくても十分に「コワい」作品が多々存在する。
 最新の回の妖怪は「スマホ」だ。いつの間にか仕掛けられた呪いのアプリに、呪いたい相手の名前を書き込むと、その相手は最終的に首をくくってしまう。しかも、五時間以内に相手の名前を書き込まないと、自分に呪いが還ってきてしまう。

 …これって、妖怪がいなくても、現実にないか?

 朝の9時から冒頭シーンは首つり自殺の死体だし、「良識ある」皆さんから「子どもの教育に…」とか言われそうだが、かの名作「仮面ライタークウガ」のカマキリ女が首を飛ばすシーン(女性がかけていたネックレスが落ちる)と同じで、「必然性のある」場面だと考える。
 今回の敵である「くびれ鬼」は中国の妖怪が原典になっている(と思う)。かの「山月記」の中島敦も採りあげており、もともとは「縊れ鬼」と書くはずだ。自らの人生に絶望して首を縊った男が、しかし自身の欲望、業から鬼になってしまう。そして、他者を自殺させることで、自らが復活できるという冥い願望から、人を自殺に追い込むのだ。

 つまりここには「自殺してはいけないよ。醜い鬼になってしまうよ」という子どもたちへの寓話が含まれている。

 その上で、今回の白眉はこれだ。

 「♪スーマホばっかり見ているとー いーまに呪いがついてくるー」

 コ、怖い。
 人間側の主人公、中学生のまなちゃんはアプリを送られ、相手を誰にしようか悩む。誰も呪いたくはない。しかし…そして親友の名前を書きそうになり…(この辺の、「いいよね、彼女なら許してくれるよね」という描写が、今の中学生の人間関係を表出させていて秀逸)そして走り出す彼女に、通行人が蒼白い顔をして、先の歌を歌いながら迫ってくるのだ。
 この描写はほんとに怖い。

 小さな子どもにも「そうか、スマホばっかり見ているとこんな怖いことになるんだ」と逆にリアルが伝わるのではないだろうか。全国の小中学校でスマホのリテラシー講座が開かれているが、この鬼太郎を見せたほうが何倍も効果があるのではないかと俺は思う。

 そしてラストシーン。鬼太郎と猫娘の大活躍により、呪いのアプリは消える。目玉おやじに諭され、反省するまなちゃん(毎回思うが、眼球に諭されて歴代ヒロインは怖くないんだろうか(^_^;))。
 しかし、エンディングシーン…女子高生?の会話。「ねえ、呪いのアプリ、なくなっちゃったの?」「あれ、面白かったのにねー」「ねえ、今度ムカつくあいつに何してやろうか…」

 妖怪より、人間のほうが怖い。

 鬼籍に入られた原作者、水木しげる先生の教えを忠実に守り、かつ、現代風刺に挑戦するスタッフたちに拍手を送りたい。

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posted by ジェイソン國分 at 07:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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