著者は直木賞作家・奥田英朗氏。岐阜の各務原で青春時代を送った氏のロック・アルバムにまつわるエッセイは、「ある!ある!」と膝を打つようなエピソードばかりであったが…途中でハタと気づいた。この人、年齢近いんじゃないだろうか?
奥付を見て、やはり同い年、1959年生まれであった。同い年の作家には浦沢直樹氏がいて(彼は1960年の早生まれで同学年・そう、かのやんごとなき方と一緒(^_^))、これも名作「20世紀少年」に於いて「小学校五年のときに大阪で開催された万国博覧会に行けたか行けなかったか」が物語の重要なカギとなり、ここで、あ!同い年なんだ!と嬉しくなった。
さて、奥田氏の「田舎でロックンロール」には「当時の中学生のおこづかいではLP(!)はなかなか買えなかった。だから友達同士で貸し借りしてなんとか自分のコレクションを増やしていた」という表現が随所に登場する。そのとおり!LPはなかなか買えないのだ。とくに、二枚組の「ライブ・イン・ジャパン」なんぞはな。だって四千円したんだぜ。「イエスソングス」(全盛期のイエスのライブ)なんぞは三枚組、たしか五千円以上した記憶があり、レコード屋さん(!)の壁にまるで文化財であるかのように鎮座ましましていた。
そんな俺が初めて買ったロックのレコードは…ストーンズの「悲しみのアンジー」のシングル盤である(^_^;)中一のとき同級生であったチカマくん。彼はまごうかたなき俺にとってのロックの伝道師であった。チカマくんの部屋で聴かせて貰った「山羊の頭のスープ」はあまりにカッコ良くて俺の五体を揺すぶったが、高くて買えない(^_^;)チカマ君は俺にLPをダビングしたカセットテープをくれた。「國分のために作ったんだぜ」と言ったときの彼の表情は、あまりの神々しさで今でも覚えている。
高校に入学した俺にとってのロックの師匠は…同じクラスのテニス部のカサハラくんであった。彼とはすぐに仲良くなり、彼はこの運動音痴の俺をテニス部に入れようとした。なんという暴挙か。やはり同じクラスであったアオキくん(マサではなくてエリコのダンナ)がいっしょにフォークグループをやろう、と現代音楽部に誘ってくれなかったら…今の俺は存在しない。「横濱の百人に選ばれた」ロックシンガー・ジェイソン國分もまた存在しないのである(欄外参照(^_^))エリコのダンナ偉い。
カサハラくんは俺に「現音だったらこれを聴かなきゃ」とひとこと。そして貸してくれたのが…ディープ・パープル「ライブ・イン・ジャパン」であった。
なんだこりゃ。LP片面に二曲しか入ってないではないか。D面に至っては「スペース・トラッキン」一曲である(^_^;)「なんてもったいないLPなんだ」というのが最初の感想。わかってませんな、私。しかし、ド頭の「ハイウェイ・スター」のカッコよさといったら…そしていわずもがな「スモーク・オン・ザ・ウォーター」である。「湖上の煙」である。「火の粉パチパチ」である。王様の登場時、腹を抱えて笑い転げたもんだが。その人と一緒に歌うようになるとは、人生はわからん。王様猊下、8/18FADよろしくお願いします(欄外参照(^_^))
しかし、またまた俺が買い求めたのは…「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のライブシングル盤であった(^_^;)だってLP高いんだもん。しかし!なんとこのシングル、ケツのジョン・ロードのソロがカットされている!今でいうエディット版ですな。ひ、酷い。しかし、そこに救いのように発売されたのが「ディープ・パープル・24カラット」なるベスト盤であった。
くだんのライブ「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をはじめ、「ライブ・イン・ジャパン」から「チャイルド・イン・タイム」も「ストレンジ・ウーマン」も入っているうえ、俺の大好きな「ファイアー・ボール」「スピード・キング」、そして、まだジュリー様の「TOKIO」発売前に、外人が「トウキョー」と言っている!すげえ!と大好きだった「ウーマン・フロム・トーキョー」まで入っている!正確にはイアン・ギランの発音は「トケイヨー」だったが。
しかし、このアルバムの売りはそこではなかった。「ライブ・イン・ジャパン」には入ってなかった日本公演のアンコール曲「ブラック・ナイト」が入っていたのである。アンコールに突入するパープルの疾風怒濤のパフォーマンス。シャウトしまくりで何言ってんだかわからないイアン・ギラン、まちがいなくハモンドB3をぶった押す勢いで弾いてるであろうジョン・ロード、そして何と言ってもリッチー・ブラックモア狂気のソロ・ワーク!ああ、噂のギターぶっ壊しってこの曲でやってるんだろうなあ、とポーダブル・ステレオ(貧乏で普通のステレオはなかった)の前で妄想する俺であった。実際にはこの後の「スピード・キング」でやってたみたいだが。もーこの一曲だけでマニアはLP買うしかないよね、という禁断のアルバムである。俺はこれを買い求め、カサハラくんに貸してあげて友情を深めたのでありました。
なんかだいぶタイトルとかけ離れてきたが(笑)奥田英朗氏と浦沢直樹氏の作品の共通点として「中学校の校内放送でTレックスをかける」というのがある。奥田氏は「メタル・グルー」、浦沢氏は「20センチュリー・ボーイ」という違いはあるが、この「挑戦」こそがロックであった、という定義は一貫している。校内放送で普通に「やばいTシャツ屋さん」とかかかってしまう昨今とは隔世の感がある。
最後に、やはり1959年生まれの同い年の俺にとっての女神・大場久美子嬢のLPの中に「サージェント・ペパーズ」の日本語カバーが存在する。これが、いいんですよ〜舌足らずで。えっ?俺だけ?
<ジェイソン國分 今後のライブおよびお知らせ>
@2018.8.1(水)18:30−18:50
J:COM TV
「横濱人図鑑〜横浜の百人」
出演!
えー、ヨコハマのひとにスポット当ててくれる番組に出演させていただきました(^_^))20分間喋り倒して歌います。この時間以外にも再放送あるし、ユーチューブでも観られるみたいです。ヨロシク(^_^)
A2018.8.5(日)
自由が丘クラプトン
池タコスペシャルユニット&ソロ
B2018.8.18(土)
横浜F.A.D
http://www.fad-music.com/fad/
伊佐ヨシテツ、還暦のお誕生日、その前日ライブ!
HIRYU、王様と共演!
C2018.8.25(土)
「富津のいちばん熱い日 23」
千葉県富津市・富津海浜公園内 野外大音楽堂
参戦決定バンド&ユニット(出演順)
ジェイソン國分&ザ・ソウルキッチン
新垣隼人&しのざきげん
うどんフレンズ
リアライズ
ブルースフィルム金太郎
幽霊会社みちづれ
國分亜沙妃&榎本響
CRAWL
スケアクロウズ
ジルナ・ノード
ファンキーオブスピリッツ
HIRYU
F2018.9.16(日)
アズハイム上大岡
ジェイソン國分歌謡ショウ!
G2018.9.23(日)
アズハイムいづみ中央
ジェイソン國分歌謡ショウ!
H2018.9.30(日)
横浜野毛サムズバー
ジェイソン國分の魂が鳴り止まない夜
ジェイソン國分&ザ・ソウルキッチン登場決定!