2017年11月12日

バンドを組む、ということ 〜「BLUE GIANT SUPREME」における一考察

 ビッグコミックに連載中の「音が聴こえる」「圧がわかる」と評判のジャズ漫画「BLUE GIANT SUPREME」。前身の日本編であるBLUE GIANTから大好きで単行本買ってたんだけど、欧州編であるSUPREMEになってから、連載は読んでるものの単行本は買わなくなった。これは、日本編の最終局面でほんとにやりきれないことが起こって、主人公のバンドが解散してしまい、それが何というかとてもやりきれなかったからなんだが…

 そして独りドイツに渡った主人公に、自然と「組みたいミュージシャン」ができはじめる。出会いはひとの性格がさまざまなようにそれぞれさまざまなんだが、主人公は彼らに愚直に彼らに「組みたい」と申し入れ、セッションが実現する。小柄な女性ながら骨太な音を繰り出すベーシスト、ドイツ人のハンナ。美しく繊細な音を紡ぎだすのに、短気ですぐキレるため、演奏中に他のメンバーに対して「つまらん」と判断すると水をぶっかけて(!)帰ってしまうポーランド人のピアニスト、ブルーノ。そして、超絶な技巧を持ちながら、自分の主義のため特定のバンドを組むことを良しとせず、セッションを繰り返すドラマーのフランス人のラファエル。

 そして前号でやっと彼らのセッションが実現するのだが…それぞれがそれぞれに対して、「今までになかった」感覚、というか、一言で言うと「面白い!」と感じ始める。

 バンドの楽しさ、ってこれなんだよね。主人公がつぶやく「人種も、国も、性格だって違うのに、このグルーヴはなんだ?これで感情までわかりあえたら、いったいどんな音になるんだ?」

 この段階でブルーノとラファエルは完全に打ち解けてないし(一度喧嘩になっている)四人揃うこと自体が初めてなんだが…バンドってのは生き物だから、まだ全然打ち解けてなくても音を出すことになることはある。でもそれで「おお!」と思うと、そのメンバーとは長く演れたりする。これを相棒は「化学反応」と呼んでいる。そして、この漫画にもあるように、音楽以外のことでメンバーが抜けたり、解散することもある。それは、自分に責任があるときもあるし、そうでなくてどうしようもないときもある。



 今週土曜日、俺の誕生祭がおこなわれる。いつまでおたんじょう会やってんだ!という突っ込みは一度置いといて(^_^;)ここに今回HIRYU、ソウルキッチン、UFJという「現在活動中」の三つのバンドが一堂に会することとなった。これはほんとうに素直に嬉しい。自分が歌ってる三バンドがすべて登場するのは今はもうない木更津グラフで演った「50歳ライブ〜半世紀少年」以来だ。

 今回の出演者を数えたら俺をいれて全部で9人。池タコの村さんが作ってくれたすんばらしいポスターをみたある方が俺に「サイボーグ009みたい」といってくれた。ちょうど男8人、女性ひとりだしね。あの名作が大好きな俺は嬉しかった。「サイボーグ009」のメンバーは、国籍、性別、人種、年齢、そして性格がそれぞれ違う9人で構成される。だから強いんだ。まるでバンドのようだ。まー今回のメンバーで誰が006=張々湖、なのかはおいといて(^_^;)

 これまでいろんなことがあったし、これからもあるだろう。メンバーのひとりは残念ながら今回のステージが最後になる。理由もたいへん納得できるし、わかっていたことではあるが(俺と仲違いしたわけじゃないよ)彼女のおかげでバンドは確実に前進したし、本人も「卒業」という言葉を使っているので、笑顔で送り出したいと思っている。 

 というわけで、たいへん面白いライブになると思います。場所がサムズバーで席が限られてるんで(^_^;)、来ていただける方はご一報ください(^_^)

BLUE GIANT SUPREMEで、やはり組まない、とひとり出ていくラファエルを主人公が追いかけ、その理由を聞く。ラファは「バンドの目標ってなんだい?グラミーを取ることかい?それともCDが売れまくることかい?俺はそんなことには興味はない。ただ、人生の最後まで自分が音楽やっててよかった、と思いたいだけなんだ。だから特定の人間とは組まない。俺は自分勝手でワガママな人間なんだよ」と答える。
 その答えに主人公は「おかしいなあ。君のドラムには微塵も自分勝手でワガママなところなどなかった。君はちゃんとひとを楽しませるのが好きなんだろう?」
 そしてベルリンの壁の前で話す彼は壁を指差して「何が起こるかわからない。こんな強固な壁だって崩れるときは来る」といって、ラファにお礼を言って去る。そしてラファエルは…

 そう、何が起こるかわからない。バンドはそういうものなんだ。そして主人公の言うように、ひとを楽しませる、ということを第一義に考えて、ステージに立ちたいといつも思っているんだ。

※BLUE GIANT についての俺の過去ログ。よかったら合わせて読んでね。
http://jasonk.seesaa.net/article/411914050.html

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<ジェイソン國分 今後のライブ>
@2017.11.18(土)
横濱野毛サムズバーhttp://www8.plala.or.jp/samsbar/
「ジェイソン國分生誕58周年記念祭・HIRYUvsソウルキッチン!」オープニングアクト、UFJ!
(前座はジェイソン國分ソロ、三時間歌いっぱなし!(^_^;))
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A2017.11.19(日)
大井埠頭・第六バース
(会社関係のイベントのため、一般の方はご入場できません)

B2017.11.26(日)
君津市小糸・スポーツ広場
小糸フェスティバル

C2017.12.2(土)
木更津MICKhttp://may0925.blog.fc2.com/
第8回ミック・フォークジャンボリー

D2017.12.10(日)
メディカルホームグランデ青葉藤が丘
ジェイソン國分クリスマス歌謡ショウ!

E2017.12.17(日)
蒲田オッタンタhttp://studio80.org/
池タコ倶楽部ライブ55
15周年記念!!

F2017.12.29(金)
日吉Naphttp://www.hiyoshinap.com/
Nap歌い納め2017
UFJ、3rdステージ!

G2018.1.3(水)
アズハイム上大岡
ジェイソン國分新春歌謡ショウ!

H2018.1.7(日)
アズハイム川崎中央
ジェイソン國分新春歌謡ショウ!

I2018.1.8(祝)
横浜FADhttp://www.fad-music.com/fad/
吉例・王様と競演〜ジェイソン國分&スケアクロウズ登場!

<特報>
あの11/5の大田区民フェスタ、池タコ倶楽部のステージが全編ユーチューブで見られます!
ジェイソン國分#大田フェスタ2017#池タコ倶楽部#20171105
https://youtu.be/0G-WjyXb6Os
撮影はスブラウトのババさん!ありがとう!

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posted by ジェイソン國分 at 07:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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