2019年03月17日

CICADA 〜山田玲司は闘い続ける

 仕事の待ち合わせの時間に少しあったので、BOOK−OFFに寄る。そこで「えっ!?」という漫画を見つける。

 「原作・山田玲司」表題の「CICADA」である。

 なんで原作のみなんだ?しかもどうも作画の方は新しい絵を描く感じで、山田氏の弟子ではないようだ。でもとにかく全4巻らしく、すべてあったので購入する。
 俺は山田玲司が好きだ。というか、「絶望に効くクスリ」以降はなんつーか勝手に盟友だと感じている。「なんかおかしいんじゃないのか世の中」と感じ、そのすべてを愚直に作品にぶつけている。でも彼は凄く強い人でなく、メンタルは絹ごし豆腐だったりする。だからよく病むようだ。これで頑張ってんだからある意味強いと言えるが。

 物語はこうだ(ある程度のネタバレを含む)。近未来の日本。完璧な階級制度が敷かれており、下層階級に生まれると絶対に浮かび上がることはできない。そしてここが肝要なのだが、この世界では「漫画が禁止」されている。漫画を読むどころか所持しているだけで厳罰に処され、漫画は焼き尽くされる。デジタル書籍はその前にすべて政府の手によって消去し尽されている。
 そして主人公は最下層の人間で、漫画の焚書官だ。上官の命令でただただ日々漫画を焼いて、楽しむことは何もない生活を送っている。そこにいかにも漫画のヒロインぽい(^_^;)ヒロインが現れ、主人公に漫画の素晴らしさを説き、彼に「うる星やつら」を読ませる。そう、この世界では実在の漫画の名作がたくさんでてくるのだ。
 しかし心ある人々はレジスタンスを結成し、漫画を守ろうとしている。ここで表題のシカーダとは、「漫画を現実化し、武器にすることができる人間」なのだ。しかし一度能力が覚醒してしまうと、その寿命は一年。
 だから、所謂バトル・シーンで、「鉄腕アトム」のプルートゥや、「バビル二世」のロブロス・ポセイドン・ロデムが実体化する。(ここで手塚治虫・横山光輝をだすところが山田玲司である(^_^))

 山田玲司はあとがきでこう書いている。

 「頑張っているけどうまくいかなくて、日々『寂しくて死にそうな人』のための作品を書いてみようと思った」

 そのあとの台詞が痺れる。「自分の考えで人を救いたい、と思っている僕も、寂しくて死にそうだから」

 山田玲司は続ける。

「いよいよ本当のことを書くことが困難な時代がきた」

「短い文章ですべてを判断しようとする傾向は強まり、その場の空気であいつは○○だ、なんて決めつける残酷ショーが、もっと大きな罪を隠して消費されている」

「ホントのことは複雑で、悪いヤツ、悪いこと、なんて簡単には決められない。そんな一言では言えないことを伝えるために物語があるんだ」

「だから漫画は、少数の個人から生み出される『人間の作った』複雑で稚拙で美しいプレゼントなんだ」



そうだよな。そしてこの作品には「共感されると嬉しい」ことや、「あきらめないことは美しい」ことが書かれている。俺も先日、敵だらけだと思っていたところで「ここ、おかしいとおもいませんか?」という「レジスタンスの仲間(^_^;)」に会えてほんとに嬉しかったもの。

山田玲司は変わっていない。渾身の作品が打ち切りになっても、愛する掲載誌が廃刊になっても、それでも孤独な闘いを辞めない。

 俺はこの作品を一巻ずつ、愛おしいように読んだ。そうだ、こういう作品をBook−Offで買っちゃいかんな。なんとかして著作料を山田氏に送らねば。でも彼はこういうだろう。

「そんなことはどうでもいいんだ。お前はお前の戦いを続けろよ」ってね。

闘い続けていきたいと思う。

シカーダ.jpg

<ジェイソン國分 今後のライブ>

A2019.3.17(日)
蒲田オッタンタ
池タコライブ

池タコバンド&ソロ?

B2019.3.23(土)
横濱野毛サムズバー
ジェイソン國分の魂が鳴り止まない夜

第一部 The八百長(酒井なるひろ&ジェイソン國分)
第二部 HIRYU(まさにぃ復帰!)

C2019.3.28(木)
日吉NAP(一年三ヶ月ぶり!)
ジェイソン國分&榎本ヒビキ

D2019.3.30(土)
アズハイム上大岡
ジェイソン國分歌謡ショウ

E2019.4.2(火)
横濱野毛サムズバー
マサ中山ヴォーカルセッション

7年ぶりにベース弾きます!
posted by ジェイソン國分 at 07:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月09日

「俺のプロレス」と「みんなのプロレス」 〜祝・週刊プロレス2000号

 ジャイアント馬場さん没後20年追善興行at両国国技館…   行けなかった(T_T)

 メインは棚橋弘至(新日本)&ヨシタツ⇒ヨシテツではない(^_^;)(WWE他)vs宮原健斗(全日本)&関本大輔(大日本)…   行けなかった(T_T)

 こりゃもう、平成のオールスター戦ではないか…  行けなかった(T_T)

 個人的には大仁田厚vsグレート小鹿…(^_^;)  行けな…いや、いつも通り師匠に頼もうとしたんですがね(^_^;)平日だし。今のプロレス人気を舐めてましたな。なんでも四時間で完売、とか。しかしみんな馬場さんのこと知っとるのかね(^_^;)

 そこで当然翌日の東スポ買って、たいへんよかったらしい、オープニングはなんと猪木が来場してダー!である。これはもう、よーし週プロだあ!と思ったら、これがまた残ってない。というか、木更津のファミマに一冊だけ有ったが、見事に読み曝されている(・_・;)結果的にTSUTAYAで取り寄せるに至るが…これがまた面白かった。それもそのはず、週プロは先週号で2000号!だったのである。

 俺はゴング派でなく週プロ派だ。何となく漂う「文学臭」が昔から好きなのだな。それはやはり当時からの編集方針だったのだと思う。

 週プロの二代目編集長はターザン山本という方で、俺も大仁田師匠との絡みで一回だけ会ったことがあるが、なんつーか破天荒な方で。今はホームレス的な生活を送られているそうだが…あまり否定できない雰囲気が。

 このターザンと現編集長との対談がトップ記事で、ターザンが表題の言葉を発していた。曰く、昭和のプロレスは誰もが「俺のプロレス」だと思っていたし、今はみんなが「みんなのプロレス」だと思っている、と。

 たしかに!さすが「現役のホームレス(^_^;)」ターザン山本、読ませる!(^_^)

 たしかに、以前なら宮原が棚橋に声かけてダブル・パフォーマンス、なんて考えられないもんなあ。暴動もんだ。それはファンそれぞれが「俺のプロレス」と思っていて、それぞれ贔屓の団体や選手を「俺の」と思って応援、というより文字通り贔屓にしていたからだ、というのがターザンの見解。

 俺はご存じ大仁田信者だが、いろんな試合を見る。でもやはり大仁田信者としての矜持があり、「観客を大事にしていない試合」はキライなんだな。だから「キャラが立っている」選手は大好きだ。鈴木みのるや、中邑真輔。シブイところでは、田口隆祐、イイよね。あれだけのキレる動きができて、ドロップキック・マスターの異名を持ちながら、必殺技が…「どどん」(爆)
 こないだの石森太一とのジュニアヘビー戦は、敗れはしたものの、最高だった。

 いろんな考え方があり、いろんな見方があるけれど、そのすべてを内包しているのがプロレスである。

 プロレスについて考えることは幸福だ。

 そんなことを考えていたら、デストロイヤーさんの訃報が届いた。キングコング・バンディ氏も他界された。お二人のご冥福をお祈りします。
posted by ジェイソン國分 at 21:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月04日

Dave Taylor ,he is a cool musician and my new friend best!

去るバレンタイン・ディ、俺は京浜東北線で遠路川口にいた。東京藝大に見事合格した教え子が年一回行われるパーカッション・アンサンブルのコンサートに招待してくれるのだ。今回で二回目になる。

 何と言ってもお藝大である。会場にはそうそうたるお師匠さまたちや、大先生たちがいらっしゃるのである。会場である川口リリアホールは超満員。というわけで、私はチンピラ・ミュージシャンなので存在自体が浮くのですな。んで、いつも最前列に座る。クラシックに携わる方々は、音の関係で前の方には座らないのだ。でも今日は超満員。そしたらど真ん中に、一席だけ空いていた。俺は隣にいる外国の方に声をかけた。「Is this seat available?」おそらくクラシカル畑であろう彼は親しみやすい笑顔でにこにこと「It's of course!」と応えてくれた。

 コンサートはとんでもなかった。100分の一拍?くらいずつ微妙にテンポをずらして歪みを創りだす。でもそれが微妙に心地よい。インテンポばかりやって心地よい俺には未知の世界だ。終わってから教え子のトモミさんにお礼を言って帰ろうとしたら、先ほどの外国の方に声をかけられた。

Are you ROLLING STONES's fan?

 そう、俺は藝大のコンサートだろうがなんだろうが、「いつもの格好」でいくのである(^_^;)

 彼の名はディブ・タイラー。藝大の英語の先生をなさっている。所謂ALTだ。なんとブルース・ギタリストらしい。ひとしきり盛り上がって帰宅した俺のPCに、深夜以下のようなメールが届いていた(本人の許可得て転載)


Dear Jason,

Greetings. I was delighted to meet you this evening, and discuss The Rolling Stones with you - always great to meet a Stones enthusiast.

An extraordinary show this evening from the Geidai students - such a great sound. I’ve loved Xenakis and Reich for many years, but tonight that very strong program made Kawaguchi the most interesting place to be in the World!

If, by any chance, you were free Friday 2/22 9:00 pm, it would be great to see you again, and you’d be very welcome to join us onstage to help me out with the vocals on a couple of numbers. Of course, I look forward to catching your next live.

Looking forward very much to meeting up again.

All the best,

Dave Taylor


ん?なんかライブやるらしいぞ。しかも翌週じゃん、これ。さらに very welcome to join us onstage って書いてあるぞ。俺もシンガーだって自己紹介したけど、いいのか?でもやりたいぞ(爆)

矢継ぎ早にメールが来る。

Dear Jason,

“The Celt” as it’s known, is an interesting UK style bar - very friendly, easygoing, and almost certainly a place you might like to play.

The address is warriorcelt.jp and if you need any further info on how to get there, don’t hesitate to get in touch. It’s on the third floor on the right hand side as you walk from Ueno JR station down the long passage on the right hand side of OIOI. It’s not hard to find, and usually there’s a sign in the street outside.

Hope to see you next Friday if you’re free.

Very best wishes,

Dave


上野の UK style bar らしい。もちろん行ったことなどない。俺にとって上野とはもっと猥雑な街なのだ(^_^;)

でもこれ、ほんとに歌っていいのかな?恐る恐る再確認してみると…


Hi, Jason,

Thanks for your reply. Cool. Please come and sing with my band.

See you soon.

Dave

あ。なんかいいみたいだ。


んで、おそるおそる出向く。

場所のThe Warrior Celt は、こういうお店http://www.warriorcelt.jp/

入ってみて結構ビビる。所謂イギリス、というよりまさにケルトのローカルバーだ。こんなとこで歌って大丈夫なのか。俺の英語って香港で覚えてNZで磨いたからさ。なんかミョーな訛りがあるらしいんだよね(^_^;)だから欧米のひとにはあまり通じない。でもちゃっかり「守護神」は担いでいく。

んで、ビビりながらビール頼む。わかんないでテキトーに頼んだら黒ビールである(^_^;)つまみもこういうのである。これチキンパイね。ナッツ、と言ったら柿の種来るし(~_~;)

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日本人のスタジオミュージシャン(まさにプロ)を従えたディブが登場する。

IMG_8992.JPG

すげえ。こう言ったら失礼だが、こんな上手いとは思ってなかった。ブルースやロックの名曲を、矢継ぎ早に繰り出していく。

2ステージ目にこういわれた。

Tonight's special guest!

The one which is rock very much! Please welcome everyone with clapping! Jason !

もーやるしかない。ディブのギターは「サティスファクション」のあのリフを高速で繰り出していく。

IMG_8993.JPGIMG_8995.JPGIMG_8996.JPGIMG_8997.JPGIMG_8998.JPG

三番がわかんなくなったので日本語で歌う(~_~;)会場に少しだけいる日本人に大ウケ(爆)

ま、そんな感じで演りまして。でも、ラストの曲(20世紀少年だ(^_^))で呼び込んでくれたからアリなのかな。

アンコールは「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」だ!ありがたい…

アンコール終わったら、カウンターのお客さんにビール(今度はスタウトだ(^_^;))たくさん貰う。

IMG_8991.jpg

素晴らしい夜だ。サンキュー、my new friend 、Dave Taylor !

IMG_8997.JPG

2019.2.22
上野The Warrior Celt
Dave Taylor 's Band

第二部
1. ( I Can't Get No ) Satisfaction

第三部 
2.20th Century Boy

アンコール
3. Jumpin' Jack Flash


IMG_8902.jpg

<ジェイソン國分 今後のライブ>

@2019.3.16
アズハイムいずみ中央
ジェイソン國分歌謡ショウ


A2019.3.17(日)
蒲田オッタンタ
池タコライブ

池タコバンド&ソロ?

B2019.3.23(土)
横濱野毛サムズバー
ジェイソン國分の魂が鳴り止まない夜

第一部 The八百長(酒井なるひろ&ジェイソン國分)
第二部 HIRYU(まさにぃ復帰!)

C2019.3.28(木)
日吉NAP(一年三ヶ月ぶり!)
ジェイソン國分&榎本ヒビキ

D2019.3.30(土)
アズハイム上大岡
ジェイソン國分歌謡ショウ

E2019.4.2(火)
横濱野毛サムズバー
マサ中山ヴォーカルセッション

7年ぶりにベース弾きます!

IMG_8903.jpg
posted by ジェイソン國分 at 04:19| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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