2015年01月06日

BLUE GIANT 〜極私的一考察

 小説にしろ漫画にしろ、紙面からは音が出ないので(^_^;)「音楽」をテーマにするとたいへん大きな壁が存在することになる。漫画の世界では一世を風靡した「BECK」(教え子のスズキコウタくんは現在タワレコに平積みになるほどの全国展開バンドのリーダーだが、彼のバンド名はかの作品から取って「Revolusion9」という)や「ピアノの森」がその成功例で、“至高の音”を表現するために敢えて「無音表現」を使用したりしている。

 さて、表題の作品は現在ビッグコミック連載中の若きジャズマンがその厚い人間関係に揉まれながら成長していく物語だ。作者はかの「岳」の石塚真一氏なので、たいへん暖かく人間を描くことに成功している。さて、この作品ではジャズをパワー溢れる音楽として表現しており(ときにはロックよりも、と表現される)そのために多種のオノマトペを使用して、アート・ブレイキーやソニー・ロリンズの“熱”を表現している。
 んで、この音声表現についてはちょっと置いといて(置くのか(^_^;))

 第三巻、主人公が高校最後の文化祭のステージにテナー・サックス一本で立ち、なみいるロックバンドに邪険にされつつ、トリ前の登場を強要される(ロックバンド悪役(^_^;))。ここに登場するのが、俺がこの漫画でいちばん好きなキャラクター「黒木先生」だ。黒木先生はいわゆる、誤解を恐れずに言えば「小柄なおばちゃん」だ。優しく訥々とした授業をするから、はっきりいって誰も聞いちゃいない。「まあ、大変」が口癖の、愛すべき「影の薄い」おばちゃんなんだ。
 主人公は兄に買って貰ったサックスを手に、当初黒木先生に「どうすれば音がでるんですか?」と訊く。すると黒木先生は「まあ大変」と、少しもバカにせずに彼に運指表を渡すのだ。
 それから二年。燻っていたサックスプレイヤーの由井を師匠としてレッスンする主人公は、高校最後の文化祭に独りステージに立つ。ジョン・コルトレーンの「カウントダウン」を吹いたあと、初めてジャズに触れた級友の大歓声の中「スペシャルゲスト!」として黒木先生を紹介し、彼女のピアノとともに「校歌」を演奏する。後半、アドリブの応酬の中、黒木先生の腰は自然に持ち上がり、主人公のサックスとともに立奏する。生徒たちは「先生、カッケー!」と絶賛する。俺がいちばん好きなシーンだ。

 実は俺にも、「黒木先生」がいる。中学校時代に音楽を教えてくれていたエビス先生だ。エビス先生は漫画の中の黒木先生と同じで、ちょっとお年を召した(だぶん当時50代だったのではと思う)、でも、ちょっとキツイ感じの先生だった。だからクラスメートはみんな「エビスのババア」と呼んで逆らいまくっててね。授業中は騒然。その中で俺は知ってるひとは知ってるが中一時代がいちばんの暗黒で。とにかく目立たずに過ごそうと思ってたんだ。
 さらには小学校時代、俺の学校には有名な「器楽クラブ」があって、けっこう賞とかかっさらってた。まーこれ教えてたタテイシ先生ってのがいけ好かない…まー、たいへんお偉い先生な訳で、俺、合唱んとき声変わり早かったんでうまく歌えなくてさ。音とれねーんだよ。そしたらタテイシ先生は俺を指揮棒で指して「君はそんなに大きな声で歌わなくていい。音がとれないなら廻りをよく聞いていなさい」と言われたんだよね。これは今でもトラウマになってる。そんで俺の小学校の音楽成績は「2」ですよ、「2」(~_~;)(ちなみに名誉にかけていうが中高は「5」である)

 しかしエビス先生は違った。俺の目をじっと見て「あなたは歌がうまいのよ。自信を持ってお歌いなさい」と言ってくれた。これは嬉しかったなあ。暗黒の中一時代、音楽の時間は唯一好きな時間になった。
 マジで、俺はエビス先生がいなかったら歌ってないと思う。その後、エビス先生は俺に腹式呼吸法を教えてくれた。つまり、エビス先生がいなかったら「ロックシンガー・ジェイソン國分」は絶対に存在しないわけ。そのときの課題曲「サンタルチア」は今でも大好きだ(^_^)

 卒業式の日、「俺、高校行ったら芸術の選択授業は「音楽」とります」と言ったらエビス先生泣いて喜んでくれて。固い握手を交わしたのを覚えてる。あとでオフクロに「合唱部入るって言ってくれた」とおっしゃったそうで(^_^;)まーもちろんそんなことは言ってないんだが。

 エビス先生、いまお元気なら90代後半かと思うけど…いま、俺の歌を聴いてほしいなあと切に思う。きっと厳しいご指導をしてくださるに違いない。

 「ブルー・ジャイアント」を読んでこんなことを思い出したんだ。 

ブルージャイアント.jpg

<ジェイソン國分 2015ニューイヤー・ツアー>

@1/12(祝)相模女子大学音楽ホール
神奈川県高等学校軽音楽連盟主催「K−LIVE」 
ファースト・コモンズ再臨! …さらに小田原コモンズも!(ベース弾きます(^_^;))

A1/30(金)横浜野毛サムズバー http://www8.plala.or.jp/samsbar/
ジェイソン國分の魂が鳴りやまない夜
謎(!)の新ユニット「なるJ」「Jシン」登場!(^_^;)

B2/7(土) 日吉Nap  http://www.hiyoshinap.com/
ジェイソン國分&Toru−John

C2/14(土)下北沢屋根裏http://shimoyane.com/
昼ライブ! HIRYU登場!
posted by ジェイソン國分 at 23:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする